してみたブログ

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映画「パラサイト 半地下の家族」- 社会問題がベースのサスペンスムービー

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2020年のアカデミー賞で作品賞ほか数賞を受賞した韓国映画「パラサイト 半地下の家族」を先日観てきました。ご存知のように、外国映画でありながら作品賞を獲った映画としてとても話題になった映画です。

 

実は韓国映画はほとんど観たことがなく、過去に鑑賞したことがあるのは、以前無料動画サイトで公開されていた「グエムル-漢江の怪物-」 だけだと思います。

 

人生2度目の韓国映画は、最初から最後まで目を離すことができないスリリングな映画でしたが、貧困という韓国の社会問題を考えさせられる映画でもありました。

 

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「パラサイト 半地下の家族」については、メディアでいろいろ情報が流れていたので、どういう展開かご存知の方が多いと思います。建物の半地下に住む貧困家庭の人たちが、裕福な家庭にだんだんと寄生(パラサイト)していく話です。

 

アメリカだと半地下のアパートなんてよくあるもので、ちょっと安いのか学生に人気な感じがしますが、この映画見るかぎりでは、韓国ではお金に困っている人たちが住んでいるようです。 

 

家族の会話のなかから、お父さんが事業に失敗してお金がなくなってしまい、そして誰も仕事を見つけることができていないということがわかります。でもじめじめと落ち込んでいる訳ではなく、家族は仲良く、そしてみんなでたくましく生きている様子がうかがえます。

 

そんなある日、息子の友だちが持ってきたアルバイトの話。高校生の家庭教師をしているけれど、留学することになったので、有名大学の生徒と偽装して代わりに家庭教師をしてもらいたい、というお願いでした。

 

このことがきっかけで、1人また1人、と、家族がじわじわとお金持ちの家庭に寄生していきます。

 

こんな感じで書くとゾワゾワおっかない感じがしますが、この過程は家族の仲の良さやたくましさを感じさせてくれて、なかなか面白おかしく観ていることができます。

 

ただ、このあたりで気がつくのは、この一家が貧困に苦しんでいても、それぞれが才能ある優秀な人たちなのだ、ということです。そうでなかったら、社長一家に認められて気に入られる訳がありません。頭がよく、そして才能もあるのに、仕事がない。つらいですよね。

 

うまく行ったね、と喜ぶ4人ですが、この時点では映画は中盤です。この先からは思ってもみなかったような展開となっていきます。

 

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最初のうちはミステリアスな感じで、そしてだんだんサスペンスとなっていく、最後まで目が離せない映画でしたが、娯楽作品のように見えるけれど、実は社会問題がテーマの映画です。「貧困」が映画の底に最初から最後まで存在し続けます。

 

欧米人ははっきり言わないと相手に伝わらないといいますが、この映画はアジア人が得意の、言葉で言わなくても見て感じて理解するシーンがけっこうあります。特にお父さんの絶望。怒り。そういう繊細なところを欧米の人たちが感じ取ってくれたのはうれしいことです。

 

それにしても、昨年のアカデミー作品賞も「人種差別」という社会問題を扱っていましたが、あれは軽いユーモアで包んだ暖かい話だったのになぁ。「グリーンブック」がまた観たくなってきました(笑)。